2016年4月26日火曜日

ビジネスの場で間違えやすい日本語・敬語20選をお教えするよ

おはようございます、プロネートの広報担当・助太力(すけだちから)です。


今さらだけど、4月だね。

街には新入社員と思われるフレッシュな人たちがそこかしこで見られるけど、ボクもいちおう社会人として先輩なので、みんなの背中にエールを送りたくなるよ。

言葉とは裏腹に、先輩風を吹かす助太力くん


と同時に、そんなフレッシュな人たちに先輩として、正しい日本語を教えたい衝動に駆られたりもしたんだ。


そこで今回は、ビジネスの場で間違いやすい日本語・敬語から、20の例文をピックアップして紹介させていただきたいと思うよ。

そもそもボクの喋り方が日本語としてどうなの? とかいうツッコミは受け付けないのでご了承してね☆



使う場面を間違えやすい日本語8


煮え湯を飲まされる
「最近、競合他社に相見積で負け続け、煮え湯を飲まされてばかりいる」

「煮え湯を飲まされる」は、信頼していた部下やパートナーに裏切られてヒドい目に遭うことなので、ライバルに負かされたときには使わないよ。


歴任
「弊社では、創業者からその孫に当たる現代表まで、親子三代が社長を歴任してきました」

「歴任」は1人が様々な役職を務めることを意味するので、別々の人が1つの役職をリレーするときには使えないんだ。


いさめる
「あいつ、最近たるんでるから、俺が上司として諌めてやったよ」

「諌める(いさめる)」は目下の人が目上の人に対して、誤りや悪い点を改めるように言うことなんだ。部下に対しては「たしなめる」とか「戒める(いましめる)」とかを使うんだって。


きわまりない
「鈴木さんって誰にでも優しくって、親切きわまりないですね」

「きわまりない」は「これ以上のないほどの様子」を表すけれど、「失礼きわまりない」「危険きわまりない」など、好ましくない状況に使われるんだ。


さわり
「お借りしていた本ですが、まださわりしか目を通してないので、週末に最後まで読み切ります」

「さわり」とはいちばん盛り上がるところを差し、音楽ならサビ、映画ならクライマックスに相当するよ。「最初」という意味で使ってないかな?


御の字
「コンペには負けたが、クライアントのウケは良かったので御の字としよう」

「御」という字は敬い(うやまい)を表すよ。感謝の気持ちが籠(こも)っているなら間違った使い方にはならないけれど、「仕方なく」とか「我慢しよう」というニュアンスは無いよ。


なし崩し
「この会社は何度アポを取ろうとしても、なし崩しにされるんです」

「なし崩し」は「済し崩し」と書いて、「借金を少しずつ返してゆく」ことから転じて「物事を少しずつ済ませていく」という意味で使われるものだよ。返事がないという場合には「梨の礫(つぶて)」を使うことをオススメするよ!


潮時
「この会社からは何度通っても仕事は出ません。そろそろ潮時だと思います」

これは間違いではないんだけど、「潮時」は「ちょうど良い時」を表す言葉で、やめるときだけでなく、何かを始めるときにも使えるよ。だから「新規事業に打って出る潮時だ」なんてポジティブな場面でも活用できるんだ!



言い方を間違えやすい日本語8


「君はなかなか的を得た質問をしてくるね」

微妙な間違いだけれども、的(まと)は射るものだから「的を射た」が正解。


「優秀な人そうじゃないですか」

「〜そう」は動詞や形容詞に付くもので、「人」のような名詞には付かないんだって。「優秀な人みたいですね」「優秀な人のようですね」と言い換えてみよう。


「おいおい、場を盛り下げるなよ」

宴会の席などで「白けさせるなよ」の意味で使っているんだと思うけれど、「盛り上げる」の「盛り」は積んで高くすることなので、「下げる」と組み合わせると矛盾するよ!


ひと段落したら休憩していいぞ」

「一段落」は「全体の何分の一かが片付くこと」という意味なので「いちだんらく」と読むのが正しいよ。


「明日のプレゼン、準備は万端です!」

準備はすべて整ったと言いたいんだろうけど、「万端」とは「すべての事柄」を差しているので、これだけでは不充分。「準備万端整いました」などと言うといいよ。


「どうぞお体をご自愛ください」

「自愛」とは「自分の身体に気をつけること」なので、二重表現になってしまっているよ。ここは普通に「どうぞご自愛ください」と言おう。


「ようやくこの仕事も目星がつきそうだな」

「目星」は見当のことで「犯人の目星をつける」などと使い、刑事モノのドラマなどで使われているね。完成の見通しという意味では、「仕事の目鼻がつく」「仕事に目処がつく」が正しいよ。


「部長のゴルフの腕前は素人はだしですね!」

プロが裸足で逃げていくほどに上手、という意味の「玄人はだし」という日本語はあるけど、素人が逃げるくらいじゃ大した腕前に見えないね。「素人ばなれ」とごちゃまぜになった間違いだね〜



間違えやすい敬語表現4


「山本様、お久しぶりです」

「お久しぶり」は親しい間柄や対等の立場の人に使う言葉だよ。ここでは「ご無沙汰しております」を使おう。


「社長はまもなく戻る予定ですが、いかがいたしますか

「いたす」は話し手側がすることをへりくだって述べることで、相手がすることなら尊敬語の「なさる」を使うよ。


「渡辺次長はおられますか

「いますか」の尊敬語は「いらっしゃいますか」だよ。「いる」よりも「おる」のほうが丁寧っぽく聞こえるからこその間違いだね。


「会員様ならどなたでもご利用できます

相手を高める尊敬語は「ご(お)〜になる」という組合せなので、ここでは「ご利用になれます」という言い方になるよ。



以上、「ビジネスの場で間違えやすい日本語・敬語20選」でした☆


他にも「憮然(ぶぜん)」が「ぶすっとした」という意味じゃなかったり、「敷居が高い」を行ったことのない場所には使えなかったりと、間違って覚えてる日本語ってけっこうあるんだよね〜

興味のある人は下記の参考文献を参考して、もっともっと正しい日本語に触れてみてね!


【参考文献】
ワーズハウスへようこそ ついつい間違えてしまう日本語 篠崎 晃一/監修 金の星社
えーっ!これ、言い間違い!? 知っていないと恥ずかしい日本語 かおり&ゆかり/著 飛鳥新社
センパイ!その日本語まちがってます! 植松眞人/著 保育社
正しいつもりの日本語 東大生も勘違い! 日本語アカデミー/編 ごま書房新社
学び直しの日本語 間違っていませんか?その使い方 佐藤 亮一/監修 出窓社
知らないうちに間違えている日本語 島津 暢之/著 宝島社
日本人が必ず間違う日本語1000 用語用例・総合索引付 関根 健一/著 宝島社
問題な日本語 その4 北原保雄/編 大修館書店
日本語力の基本 つい使ってしまうけれど、じつは間違っている72の表現 野口 恵子/著 日本実業出版社
上流の日本語 どんな場所に出ても恥をかかない話し方 本郷 陽二/著 朝日新聞出版
知ってるつもりで間違える慣用句100 田村 秀行/著 亜紀書房
知らずに使っている実は非常識な日本語 梅津 正樹/著 アスコム
その敬語では恥をかく! 井上史雄/著 PHP研究所
新明解国語辞典 三省堂